中島晃です。「そもそも、アナウンサーの魅力って何ですか?」――塾でレッスンを続ける中で、こんな問いを受けることが増えてきました。「自分はなぜアナウンサーになりたいのか、わからなくなってきた」と相談に来る学生さんもいます。今日は、私自身の言葉でその答えをお話しします。
アナウンサーは“言葉を届ける”仕事
アナウンサーとは、テレビ局や放送局という“メディア”を通して、言葉を届ける仕事です。
ニュースを読む。インタビューをする。災害時に避難を呼びかける。スポーツを実況する。中継先の空気感や情景を伝える。
台風や集中豪雨など、時には命に関わる情報を伝えます。一方でオリンピックやワールドカップの感動を、実況として全国へ届ける瞬間もあります。
カメラの前に立つ“伝える存在”
では、アナウンサーになりたい人とは、どんな人なのでしょうか。私は、「人前で表現したい」という気持ちが強い人だと思っています。
ディレクターは基本的にカメラの後ろにいます。一方アナウンサーは、カメラの前に立つ。つまり、自分自身が“伝える存在”になる仕事です。
ただし自由に話すだけではありません。原稿や番組の流れを理解したうえで、その中で自分を表現していく。ある意味で“伝える演者”でもあるのです。
あなたの言葉が、人の心と命を動かす
アナウンサーの言葉を受け取った視聴者は、納得し、感動し、社会問題を知って考え、時には命を守る行動を取ります。言葉には、人の感情や行動を動かす力がある。だから私は、アナウンサーは“表現者”の仕事だと考えています。
俳優、歌手、画家、小説家、新聞記者――。媒体は違っても、「感じたことを世の中に届けたい」という思いは共通しています。自分の言葉が、メディアを通して何十万、何百万、時には世界中へ届く可能性がある。そこにこの仕事の魅力があります。
“時代の空気”を伝える人になる
もう一つ、アナウンサーには「時代の空気を伝える役割」があります。嬉しいニュースの日も、悲しい災害の日も、社会が混乱する日もある。その時々の“空気”を、言葉と表情と声で伝えていく。
それはAIにも、文字情報だけにも完全にはできない、人間の仕事です。
だからこそ目指す皆さんには、「有名になりたい」だけでなく、「伝えたい」「人の心を動かしたい」「誰かの役に立ちたい」――そんな気持ちを、ぜひ大切にしてほしいのです。
アナウンサーとは、“声”を通して人と社会をつなぐ仕事なのかもしれません。迷ったときは、自分の中の「伝えたい」という気持ちに、もう一度耳を傾けてみてください。プロフェッショナル・アナウンス塾では、皆さんが自分の言葉で表現する力を磨くお手伝いをしています。
中島(プロフェッショナル・アナウンス塾 代表・講師)
