中島晃です。「どうすれば、プロのアナウンサーとして長く信頼してもらえるのか」――そんな相談を、塾でよく耳にします。今日は、技術や見た目を磨く前に身につけてほしい“土台”の話を、少しさせてください。
心・技・体 ― アナウンサーにも通じる三本柱
日本の国技・相撲には、「心・技・体」という言葉があります。心は“考え方”、技は“技術”、体は“身体”。これは、アナウンサーという仕事にもそのまま当てはまる考え方だと感じています。
発声・滑舌・表現力、ニュースを読む力や実況する力といった“技”。姿勢や立ち居振る舞い、画面に映る印象までを含む“体”。テレビというメディアに出る以上、どちらも欠かせない要素です。
一番大切なのは“心” ― 物の考え方
ただ、長く現場を見てきて思うのは、最終的にいちばん大切なのは“心”だということ。つまり、物の考え方です。
どれだけ技術が高くても、どれだけビジュアルが整っていても、考え方が伴っていなければ、本当の意味で長く信頼されるプロにはなれません。
では、その“心”の中で何が一番大事なのか。私は迷わず、「約束を守ること」だとお答えしています。
“約束を守る”という、シンプルで重い姿勢
「何時に会いましょう」「何時に電話します」「この日にZoomをしましょう」――。
そういう一つひとつの約束を、きちんと守れる人。それがプロの第一歩です。
約束は、自分だけのものではありません。相手もその時間を空け、優先してくれている。簡単に変更したり後回しにしたりすれば、相手の時間と信頼を軽く扱うことにつながってしまいます。仕事だけでなく、人との約束すべてに通じる話です。
守れないときこそ、向き合い方が問われる
もちろん、生きていれば避けられない事情もあります。ご家族のこと、緊急の出来事――誰にでも、どうしても守れない瞬間はあるものです。
そこで問われるのが、向き合い方。すぐに連絡をする。心から謝る。代替案を出す。相手への配慮を忘れない。
私自身、完璧な人間ではありません。失敗もしてきました。それでも“約束を大切にする”という姿勢だけは、ずっと手放さずにきました。
技術は練習で伸び、経験は積み重ねられます。でも、“心の姿勢”だけは、自分自身で磨いていくしかありません。プロフェッショナル・アナウンス塾では、技術や所作と並行して、信頼される人としての土台づくりも大切にしています。迷ったときは、いつでも声をかけてくださいね。
中島(プロフェッショナル・アナウンス塾 代表・講師)
